as clear as mud
mud は「泥」を表す名詞です。as clear as mud を直訳すると、「泥と同じくらい明瞭な」となります。
しかし、泥は透き通っておらず、濁ったもの。このフレーズは、実はユーモアを利かせた口語表現で、
明快さが泥と同じ程度、つまり「不明瞭でさっぱりわからない」というニュアンスなのです。
not easy to understand「理解しにくい」と同じような意味で、
何かの説明がちんぷんかんぷんだったときなどに使えるイディオムです。
Do you know what we’re supposed to do? The boss’s explanation about the project was as clear as mud.
(私たちは何をしたらいいの? プロジェクトについての上司の説明は訳がわからなかったよ)
The politician avoided directly answering the question by giving a statement that was as clear as mud.
(その政治家ははっきりしない声明を出すことによって、質問への直接の回答を避けた)
類似の英語表現
「さっぱりわからない」という意味を伝える英語表現はほかにもあります。
「〜の向こうに」を表す前置詞 beyond を使って A is beyond me. と言えば、
「Aは私の理解を超えている、Aは難しすぎて私にはわからない」という意味になります。
これは主にカジュアルな会話で用いられるイディオムです。
I can understand simple articles, but reading a whole newspaper in English is beyond me.
(簡単な記事なら理解できるのですが、英字新聞を全部読むのは私には難しすぎます)
また、make no sense は「意味が不明瞭だ」ということなので、「訳がわからない」という気持ちを表したいときに
便利な表現です。
Who wrote these instructions? They make no sense whatsoever.
(この指示を書いたのは誰? まったく訳がわからない)
* whatsoever は「少しも」という意味で、否定を表す語とともに使います。
さらに、ちょっとレベルの高い単語ですが、incomprehensible (不可解な) という形容詞もあります。
反意語の comprehensible が「理解できる、理解しやすい」なので、
それを否定した incomprehensible は「理解できない、理解しにくい」という意味を表します。
Discussions about economics are completely incomprehensible to me.
(経済学の議論は私にはまったく理解不能です)
いずれの表現も as clear as mud と同じように、difficult to understand の意味を持っています。